@「日本の人口推移」
-
縄文晩期から現代まで「日本の人口推移」 (出典・『人口から読む日本の歴史』鬼頭宏著)
|
時 代 |
人口(万人)
|
備 考 |
縄文晩期(2900年前) |
76 |
|
弥生時代(1800年前) |
59
|
|
奈良時代 (725年) |
451 |
|
平安時代初期(800年) |
551 |
|
平安時代後期(1150年) |
684 |
|
江戸時代 慶長5(1600)年 |
1,227 |
江戸幕府成立 |
江戸時代 享保6(1721)年 |
3,128 |
1721年、将軍徳川吉宗、全国人口調査。幕府は全国の諸領に布達を出し領内の人口を報告させた。
★享保の大飢饉:享保17(1732)年 |
江戸時代 天明6 (1786)年 |
3,010 |
★天明の大飢饉:天明2(1782)年〜天明7(1787)年
|
江戸時代天保5(1834)年 |
3,248 |
★天保の大飢饉:天保4(1833)年〜天保10(1839)年
|
明治6年(1873年)
|
3,330 |
明治維新 |
昭和25年(1950年) |
8,390 |
終戦後 |
平成7年(1995年) |
12,557 |
|
- 平安時代末期以降の荘園・公領制度下では、有力農民である名主の下に、下人など多くの隷属農民が属していましたが、16世紀末に実施された「太閤検地」の「一地一作人制」、すなわち耕地一筆ごとに耕作者を検地帳に記載して年貢負担者が確定されました。(1つの土地に1人の耕作者のみ認められた)
- これによって、名主層の中間搾取が排除されました。
- この太閤検地以来、小農の自立を促し家族単位で耕作を行い、農地開拓にも意欲的に取り組み、農業生産力が増加したと考えられています。
- 江戸幕府開府から約100年間に、日本の人口は大幅に増え3,100万人前後に達しました。
- しかし、1800年を中心とする一世紀は、日本のみならずヨーロッパにおいても気候が極度に寒冷化した世界的な「小氷期」でした。
- 1732年の享保の凶作は、ウンカを中心とする虫害で、被害は西日本を中心に現れました。
- 宝暦、天明の凶作(1753〜63年、1782〜87年)と、天保の凶作(1833〜36)は、いずれも夏季の気温低下による冷害が主な原因でした。
- 気候寒冷化の影響を強く受けたのは、東北地方の太平洋側と北関東でした。
元々暖かい西南日本では、被害は小さかったとされています。
A伊勢國三重郡智積村・佐倉村の様相
- 智積村と佐倉村における”江戸期1800年前後の「小氷期」の様相”についての直接的な公的文書や私的書類及び伝承も無く、当時の先人の苦労を伺い知ることはできません。しかし、桜地区内の溜池(ためいけ)築造年代から、「小氷期」に於ける溜池受益者の結束による熱い挑戦の軌跡が伺えます。
【溜池築造年代】
- 智積村
●下雨池(通称・雨池)・・1733年以前(享保18年以前)
●新雨池(通称・瓢箪池)・1818年(文政元年)
- 佐倉村
●大溜(通称・池の溜)・・1818年(文政元年)
●大谷池(通称・弁天池)・1849年(嘉永2年)但し、完成は2年半後となる。
関連ページ「桜町西区のマンボについて」の「1.水不足と闘った先人たち」をご参照ください)
- 智積村灌漑用溜池
丘陵地や谷間や荒れ地を開墾して「水田」とするため、さらに高地に溜池(雨池)を造り、「灌漑用水路」を造って「水田」としました。
- 苦労の末に完成した「溜池・通称雨池」のほとりに、当時の人々は溜池の守り仏として「不動明王」を祭祀し、永遠に水を湛(たた)えますようにと願いを込めました。
関連ページ「鵯岡白滝不動」のページをご参照ください)
智積村灌漑用溜池 (出典:『明治17年調 伊勢国三重郡智積村地誌』)(明治17年は1884年) |
下雨池
通称・雨池
(あまいけ) |
面積・・・・約2640u(800坪)もある大きい溜池
水掛田・・・反別6町7反1畝5歩(約6.65ha)の用水に供す。
築造年・・・正確な築造年代は不明。享保年間(1716〜36年)の頃には存在したと考えられます。何故ならば、1733年(享保18)作『佐倉村・桜一色村・智積村山野論立会絵図写』と、1786年(天明6)以後の作とされる『智積村絵図』に、大きな池が描かれていることから考察されます。
祭祀・・・・「不動明王」
|
新雨池
通称・瓢箪池
(ひょうたんいけ) |
面積・・・1129u(342坪)のやや小ぶりの溜池
水掛田別不詳
築造年・・・1818年(文政元)
「通称・雨池」より約120m上手の窪地に新築された。
祭祀・・・・詳細は不明ながら「石仏」が祀られた模様。
|
- 『明治17年伊勢國三重郡智積村地誌付属圖』
「字横谷」開墾田(棚田)・・・反別6町7反1畝5歩(約6.65ha)
『明治17年伊勢國三重郡智積村地誌付属圖』
雨池用水の受益田=「字横谷」及び字円上田と字大竜の位置
|

(作成年月日・2021.04.加工責任・永瀧) |
B『雨池用水 水路図』
|